キャリア相談、いつするのが正解なの。タイミングを迷っている人へ


キャリア相談のタイミングを迷いながら「まだ相談するほどのことじゃないかな」と思って、半年が過ぎた。

累計で数百件の相談を受けてきたが、こういうパターンがけっこうある。なんとなく今の仕事がしんどい、でも転職するかどうかもわからない、こんな状態で相談していいのかな——と思っているうちに、ずるずると時間が経っていく。

正直に言うと、そのタイミングで来てほしい。


「まだ早い」はほとんど気のせい

「もう少し気持ちが固まってから」は、ほぼ永遠に来ない。

「転職を本気で考えるようになってから」と思っている人が多い。でも、気持ちが固まるのを一人で待っていると、なかなか固まらない。相談することで、逆に気持ちが整理されることがある。

「転職したいのか今の会社にいたいのか分からなくなった」という状態で来る人がいる。話しながら「本当は今の仕事自体は嫌いじゃないけど、上司との関係が9割の問題だ」と気づく、というケースは珍しくない。答えは最初から相談者の中にある。話すことで言語化の場が作られるだけで、状況が変わることがある。

気持ちが固まってから相談するのは、実はあまり意味がない。固まった後でできることは限られていて、固まる前だからこそ広がる選択肢がある。

こういう状態なら、今すぐ話していい

「なんか違う感覚」が2〜3ヶ月続いているなら、話すタイミングだと思う。不幸じゃないし評価もされている、でも「このままでいい」とは思えない感覚。それが週に何度か頭をよぎるなら、それで十分だ。

転職を「検討している」のではなく「転職しないといけないかもしれない」と不安になっているなら、その時点で来た方がいい。不安を抱えたまま一人で転職活動を始めると、焦りが判断を歪める。整理してから動く方が、結果的に選択肢の幅が広くなる。

あと、「年収が下がるかもしれない」という恐怖だけが転職を踏み止まらせているなら、それも話す価値がある。数字を具体的に試算するだけで、怖さの輪郭が変わることがある。漠然と怖いのと、「3年で回収できると分かった上での覚悟」は、まったく別物だ。

「遅すぎる」はあるのか

相談が遅すぎるケースは、正直なところあまりない。60代でキャリアの棚卸しをしたい、という相談も受けたことがある。

ただ、「転職先がすでに決まっていて、内定通知を承諾する直前」で来る人は、できることが少ない。決断の是非についての相談より、「承諾する気持ちで来ました」という状態の確認になることが多い。迷いがあるなら、内定承諾前に来てほしいとは思う。

「今の会社を辞める気持ちは90%固まっています」という状態でも、残り10%が何なのかを整理するために話すことには意味がある。逆に「辞める気持ちが固まっているなら転職エージェントに行けばいい」という話でもなくて、辞めた後をどう設計するかの相談は早ければ早いほどいい。


相談の場の使い方

一人で8ヶ月考えて分かったのは、外に出す場がないとすっきりしないということだった。キャリアコンサルタントを知らなかったし、相談する発想もなかった。ほとんど一人で考えていた。

そのころ読んだ『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』(八木仁平)に、「好き・得意・大事の3つが重なる場所がやりたいことだ」という整理の仕方が出てくる。問いの立て方が変わって、少し整理できた気はした。でもそれでもすっきり答えが出なかったのは、自分の外に出す場がなかったからだと今は思っている。

一人で考えることにも意味はある。でも、一人で考え続けても堂々巡りになることがある。「同じことを頭の中でぐるぐるしてる」と感じているなら、それは思考が詰まっているサインだ。誰かと話すことで、ぐるぐるの構造が見えることがある。

転職エージェントとの違いを聞かれることがある。エージェントは「転職させること」がゴールになりやすいし、そのための情報提供が中心になる。キャリア相談は「あなたはどうしたいか」を一緒に考えることが中心で、転職しない選択が出ることも普通にある。どちらが良い悪いではなく、「転職先を探したい」と「まだ方向性が決まっていない」では使う場所が違う。


キャリア相談を「転職を決めた人がするもの」だと思っていたなら、そのイメージは少し違う。迷っている状態のまま来ていい。むしろ、そっちの方が話すことが多い。

「まだ相談するほどじゃないかも」と思って半年が過ぎる前に、話してみてほしいと思っている。照れくさいけど、それが一番正直なアドバイスだ。

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Syun

早稲田大学ラグビー部出身。大手外資系コンサルを経て、32歳でフリーランスのキャリアコンサルタントとして独立。サウナとルーティンをこよなく愛する。

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