新卒エンジニアが最初の1年でやっておくべきこと。1年目を終えた僕の正直な振り返り
新卒エンジニアの1年目って、正直何をやればいいか分からないと思う。
技術を勉強しろとは言われる。でも何を?どのくらい?業務外でもコードを書くべき?先輩との関係はどう作る?——情報は多いのに、自分に何が必要かが見えにくい。
僕は新卒でブロックチェーンゲーム会社のバックエンドエンジニアとして入社して、半年でフリーランスに転向した。その後AIアプリを作って、今はフィンテック企業でAPIゲートウェイの開発をしている。
小さなスタートアップだったので、入社してわりとすぐにサーバーのリードを任される場面があった。責任は重かったけど、報酬はスタートアップの水準のまま。「この責任に見合う報酬をもらうには、フリーランスで動いた方がいい」と思ったのが、転向の一番の理由だった。
振り返ると、1年目にやっておいてよかったことと、もっと早くやればよかったことがはっきりある。
動くものを作り続けること
実際に詰まる経験の数が、後の伸びを決める。
入社してすぐ、ブロックチェーンゲームのバックエンド開発を任された。正直、ブロックチェーン自体をちゃんと理解していたわけじゃなかった。だから業務時間の外で、スマートコントラクトを自分で書いてみたり、トランザクションの仕組みを手を動かしながら確認したりを繰り返した。
実際に動かして、エラーが出て、なんとか直して——そのループの中で初めて「あ、ここがそういう仕組みか」になる。技術書を読むだけじゃ詰まらないから、詰まりの数が少ない。その詰まりの数が、後の伸びを決める気がしている。
「波が来ている領域」を一つ決めること
何でも勉強しようとすると、何も身につかない。
僕が新卒のときに選んだのはWeb3だった。当時ブロックチェーンゲームの会社にいたこともあるけど、それより「今ここに波が来ている」という感覚があったから。
波が来ている領域、つまりまだ人が少ないニッチな場所に飛び込むのは、怖さより面白さの方が大きい。競合が少ないから、少し真剣に取り組むだけで「その領域に詳しい人」になれる。Web3のとき、周りに知っている人がほぼいなかったので、半年で会社内でそれなりに頼られる存在になった。
情報が少ない分、自分で調べ、試すしかない。それが結果的に、ただ勉強するより深く身につく理由だと思っている。
何を選ぶかより、「一つに絞って深く入る」ことの方が大事だと思う。
質問することを怖がらないこと
「調べてから聞く」一手間が、先輩との会話の密度を変える。
特に新卒は「こんなことも知らないと思われたくない」という気持ちが邪魔をする。でも先輩エンジニアは、聞かれることをそんなに嫌がっていない。むしろ何も聞かずに詰まっている方が困る、というケースが多い。
一つ意識していたのは、「調べてみたけど分からなかった」を一言添えること。何も調べずに聞くのと、調べた上で聞くのでは、相手の受け取り方が全然違う。
今はAIがある。ChatGPTでもClaudeでも、まず聞けばたいていの入り口は教えてくれる。「先輩に聞く前にAIに聞いてみる」という一段階を挟むだけで、質問の解像度が上がる。AIに聞いても分からなかった、AIの回答が腑に落ちなかった——そういう状態で先輩に聞く方が、会話の密度がぜんぜん違う。
やっておけばよかったこと
もう一つ、アーキテクチャの視点を意識的に広げておけばよかった。
1年目はモノリスの開発しか経験がなかった。その後フィンテック企業でマイクロサービスの開発に入ったとき、慣れるまでにけっこう時間がかかった。サービス間の通信、APIゲートウェイ、分散トレーシング——モノリスの文脈では登場しない概念が一気に出てきて、コードを書く前に「そもそも全体がどう動いているか」を把握するだけで消耗した。
1年目のうちに「自分が今書いているコードが、システム全体のどこにいるか」を意識する癖をつけておけばよかったと思う。技術の深さだけでなく、構造の広さも早めに見ておいた方がいい。
1年目は、技術を覚える期間というより「どう学ぶかを覚える期間」だと今は思っている。
学び方さえ身につけば、技術は後からついてくる。焦らなくていい。でも、動くものを作り続けることだけはやめないでほしい。