エンジニアの20代キャリア戦略。新卒半年でフリーランスになった26歳の考え方


20代エンジニアのキャリアって、何が正解か分からなくて迷うことが多い。どの技術を深めるべきか、今の環境にいていいのか、このまま会社員でいいのか。悩みはあるのに、参考になる先例が少ない。

26歳なのでまだ20代の話を客観的に語れる立場じゃないんだけど、今やっていることを記録しておく意味で書く。

新卒半年でフリーランスになった理由

新卒でブロックチェーンゲームの会社に入って、6ヶ月でフリーランスになった。

小さなスタートアップだったので、入社してわりとすぐにサーバーのリードを任される場面があった。責任は重かったけど、報酬はスタートアップの水準のまま。「この責任に見合う報酬をもらうには、フリーランスで動いた方がいい」と思ったのが転向の一番の理由だった。それに加えて、1社にいると使う技術が固定されていくのも正直しんどかった。

辞めることへの怖さはあった。当然だと思う。新卒で入ったばかりの会社を半年で辞めるのは、履歴書的にどうなんだという不安もあったし、親への説明もしんどかった。でも「続けることのコスト」の方が高い、という判断が先に立った。

うまくいかなければ就職すればいい、という感覚は本当にあった。でも今思えば、あの判断はかなり感覚的だった。

結果的に、フリーランスで作ったアプリは泣かず飛ばずだった。2本リリースしたけど、どちらもユーザーはほぼ来なかった。宣伝をほぼしなかったので、作ったものが誰の目にも触れないまま終わった。

正直、あれはモチベーションにきつく響いた。「動くものができた」という達成感より、「誰も使っていない」という現実の方が長く残る。作ることより届けることの方が難しいと、数字で思い知った。

それでも今はフィンテックの会社で働いている。アプリは使われなかったけど、作る過程で積んだ技術は次につながった。あとプロダクトを「出したことがある」という経験値は、就職面談でわりと効いた。

「波が来ている場所」にいることを意識している

Web3・AI・フィンテック、と移ってきたのは、全部「今ここが熱い」と感じて動いた結果だ。

まだ人が少ないニッチな場所に飛び込む方が、早く頭一つ抜けられる。Web3に入ったとき、周りにちゃんと分かっている人がほぼいなかった。だから少し真剣に取り組むだけで、半年で「詳しい人」扱いになった。競合が少ない領域は、それだけで武器になる。

ただ、興味がない波には乗れない。Web3は純粋に面白かったし、AIも金融も触っていて飽きない。好奇心が続く領域かどうかは、選ぶときに一番気にしている。

フリーランスを続けていくなかで、徐々に感じてきたことがあった。コードレビューがない。設計の正解が分からないまま進む。誰かに「それ違う」と言ってもらえる環境がない。最初はそれが自由に思えていたんだけど、時間が経つにつれて、少し怖くなってきた。自分が成長しているのか、していないのかを判断できるのが自分だけ、という状況が想像以上にしんどかった。

フィンテックに移ったのは、Web3が少し落ち着いてきたタイミングで、「次に堅く成長する領域」を探していたのもある。でもそれより先に、「設計を誰かに教えてもらえる場所に入りたい」という感覚があった。金融系のシステムは、複雑度が高い分だけ技術的な学びが多い。APIゲートウェイやBFFを触るようになって、設計の考え方が変わった気がしている。

20代でやっておいて良かったと思うこと

一個だけ挙げるなら、「小さく失敗し続けること」だ。

フリーランスで作った2本のアプリは、どちらも全然使われなかった。でも作ったことで技術スタックの選び方が分かったし、「なぜ使われないか」を考え続けたことで、プロダクト視点が身についた。失敗から得られる情報の密度が、成功より高いことが多い。

20代のうちは失敗のコストが低い。家族を養う必要もないし、積み上げたポジションもない。失敗してもやり直せる余白が、年齢が上がるほど少なくなっていく。

正直まだ分かっていないこと

20代のキャリアの正解は、30代になってみないと分からないと思っている。

技術的にも、まだミドルエンジニアの入り口にいる感覚がある。フィンテックでAPIゲートウェイやBFFを触っていると、自分より遥かに経験のある人たちの設計力や判断の速さに毎日圧倒される。「分かってきた」と思ったら新しい知らないことが出てくる。それの繰り返し。

もがいているのは確かで、でもそのもがき方が前より少し上手くなってきた気はしている。それが成長なのかもしれない。

20代キャリアの「正解」を誰かに聞こうとする気持ちは分かる。でも正直、聞いても出てこない。会社員がいいかフリーランスがいいか、専門を深めるか広げるか——どちらが正しいかは、その人の状況と判断の積み重ねによるから。

ただ、「小さく試して、ダメなら切り替える」というサイクルだけは、どんな状況でも使えると思っている。失敗しても修正できるうちに、できるだけ多くのことを試した方がいい。それが20代でやっておくべきことの、今の自分なりの答えだ。


このブログを作ったのも、「やってみたかった」からだ。エンジニアとしてサイトを作るのは技術的な実験でもあるし、ライターたちが何を考えているかを間近で見られるのが面白い。26歳の今しかできない経験だと思っている。

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kz

26歳のソフトウェアエンジニア。このサイトの開発・運営を担当。エンジニア目線でキャリアや働き方について発信する。

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