大手からスタートアップへの転職、後悔した点・よかった点を正直に書く
転職を考え始めたのは、入社3年目の夏だった。
特に何か大きな出来事があったわけじゃなくて。ただなんか、「このまま5年後もここにいるのかな」って思ったとき、あんまりわくわくしなかった。
それだけといえばそれだけなんだけど、その感覚がずっと頭の片隅にあった。安定しているのに、なんかこのままでいいのかって迷いが消えなくて。そういう漠然とした不安を抱えたまま、しばらく過ごしてた。
大手の何が嫌だったか
正確に言うと、嫌というより「合わない」という感じだった。
一番しんどかったのは、お客さんに本当に寄り添った提案ができないと感じるようになってきたこと。会社として売るべき商材があって、それをどう乗せるかを考える仕事だから、「このお客さんに今これは必要ないかも」って思っても、なかなか正直に言えない場面があった。
私、営業で「嘘はつかない」って自分の中でずっと決めてるんですよね。それが少しずつ守りにくくなってきて、それがしんどかった。
あとは上司との関係も。全員がそうじゃなかったけど、理不尽だと感じる場面が積み重なって、だんだん「この環境で長く働くのは無理だな」という気持ちになっていった。
決裁の遅さとかアイデアが通りにくいとかも正直あったけど、それより「自分が共感できないやり方で営業を続けること」への違和感の方が大きかった。悪い職場ではなかった。ただ、私のやり方とは合わなかった。
怖かったこと
転職先がスタートアップだったので、周りには反対する人もいた。
「安定を手放すの?」「福利厚生は?」「つぶれたらどうするの?」 😅
全部、もっともな心配だと思った。私も怖かったから。年収が下がる可能性もあったし、知名度もないし、入社したら思ってたのと違う、ということも十分ありえた。
正直、転職を決めた夜は眠れなかった。「本当にこれでよかったのかな」ってぐるぐる考えて、スマホでスタートアップ 転職 失敗、とか検索してた。我ながら最悪なやつ 😅
でも、怖いまま動かないでいることの方が怖くなってきた。あのまま大手にいたら、「あのとき動けばよかった」って思う未来の方が、失敗する未来より嫌だなと思って。
実際に転職してどうだったか
正直に言います。最初の3ヶ月は、しんどかった。
スピードが違う。意思決定が速くて、自分でどんどん動かないといけなくて、サポートが少なくて。大手にいたころは「当たり前」だった仕組みが何もなくて、自分で作っていくしかない場面が多かった。
入社1ヶ月目のとき、自分でゼロから提案資料を作ったんだけど、誰も確認してくれなくてそのままお客さんに出した。大手だったら絶対に上司が目を通すはずの工程が、なかった。最初は心細かったけど、慣れてくると「自分で考える」こと自体が楽しくなってきた。
でも半年過ぎたくらいから、少しずつ景色が変わってきた。
自分で動いて、結果が出て、それがお客さんの顔に見えて返ってくる。この距離感が、私には合ってた。あ、これが欲しかったんだ、と気づいた。
どっちが正解かは、今も分からない
大手の安定や福利厚生がよかったなと思う瞬間も、正直あります。
スタートアップは裁量がある分、誰も助けてくれないときがある。大手にいたころ当たり前だったものが、こんなに恵まれてたんだと気づくこともある。
大手を辞めたことへの後悔が、ゼロかというと正直そうでもない。最初の半年は、「なんで辞めたんだろう」って思う夜もあった。お客さんのトラブルが重なったときとか、サポートを求めたけど誰もいなかったとき。スタートアップに転職してみて正直に言うと、1年目は「しんどい」と「面白い」が半々くらいだった。どっちの比重が高いかは、その週によって違った。それが2年目に入ってから「面白い」の方が少しずつ増えてきた。タイミングがあったのかもしれないし、自分が変わったのかもしれない。
うまく言えないけど、「どっちがいいか」じゃなくて「自分がどっちで動けるか」の話な気がしていて。それは入ってみないと分からなかった。転職を迷っている人に「大丈夫だよ」とも「やめておきなよ」とも言えないのは、そういうことだと思ってる。
転職してから2年以上経って、今も同じ会社にいる。それが答えといえば答えかもしれない ✌️
転職後に「怖さの種類」が変わった
転職前の怖さと、転職後の怖さは、全然違うものだった。
転職前は「大手を辞めること」が怖かった。安定を手放すこと、失敗したときのリスク、周りの目。漠然とした恐怖で、対象がはっきりしてなかった。
転職してからの怖さは「具体的」になった。この案件を取れるかどうか、次の商談でどう話すか、メンバーが育っているかどうか。怖さの対象が絞られてきたから、対処する方法を考えやすくなった。
漠然とした怖さの方が、実はしんどい。具体的な怖さには、具体的に動けばいい。でも漠然とした怖さには、何をすればいいかが見えない。転職前の「やめて大丈夫かな」という怖さは、動いてみなければ解消されなかった。動いた後に「こういう怖さか」と分かって、初めて対処できるようになった 🌱
「怖いから動けない」より「怖いまま動いてみる」の方が、長い目で見てしんどさが少なかった。これ、転職してから気づいたことだけど、仕事の色んな場面でも同じような気がしてる。
転職を後悔しそうになったとき、考えたこと
正直に言うと、スタートアップ1年目の後半、「やっぱり大手の方がよかったかも」と思った夜が何度かあった。
お客さんのトラブルが重なって、サポートを求めたけど誰もいなくて、一人でどうにかするしかなかった夜。大手にいたら先輩が助けてくれただろうな、と思った。
そのとき自分に問いかけたのは「大手に戻りたいか」じゃなくて「大手に戻ったら、今感じてた物足りなさが解消されるか」だった。答えはノーだった。大手に戻っても、「自分じゃなくていい感じ」は変わらない。しんどい場面は違うけど、何かがしんどい状況は続く。
どの場所にいても、何かのしんどさはある。大事なのは「どのしんどさと付き合えるか」だということを、あの夜考えた。スタートアップのしんどさの方が、まだ自分に合ってる気がした。それが、今も同じ場所にいる理由だと思ってる 🌿
転職を迷ってるとき「後悔しないか」という問いが頭に浮かぶのは当然だと思う。でも「後悔しない選択」を探すより、「どんな後悔なら受け入れられるか」を考えた方が決断しやすいかもしれない。どちらを選んでも何かは後悔する。大事なのは、「このしんどさなら引き受けられる」という感覚があるかどうかな気がしてる。
決めた後に「決めた自分を信じる」練習
転職を決意してからも、揺らぐ時期があった。
入社する前、内定が出てから2週間くらいの間、何度も「本当に大丈夫か」と自問してた。検索して不安な記事を読んで、また検索して、という繰り返し。後から思えばあれは不安の解消作業じゃなくて、不安の増幅作業だった。答えが出ない問いを何度も繰り返してただけ。
切り替えられたのは「決めた以上、ここから先は決めた自分を信じることしかできない」と思えたから。決断の正しさは動いてみなければ分からない。動く前に正解を確認しようとしても、それは無理な話だった。
これって転職だけじゃなくて、仕事のいろんな場面でも同じだなと今は思う。どのお客さんへのアプローチも、どのタイミングで連絡するかも、決めた後は「決めた自分を信じて動く」という姿勢が必要で。迷い続けることと、動きながら修正することは全然違う。転職がそれを体で覚えさせてくれた気がしてる 🌿