営業に向いていないと思ったとき、どう考えたか


営業、向いてないかもって思ったこと、何回もある。

アナウンサーを目指して就活して、全部落ちて、大手メーカーの営業職に就いた。正直なところ、最初から「営業をやりたい」とは思っていなかった。なんとなく受かったところに入った、くらいの感覚で。

だから最初の数ヶ月は、ずっとどこかで「こんなはずじゃなかった」って思ってた。


向いてないと思った理由

私がイメージしていた「向いてない」は、こんな感じだった。

断られるとへこむ。数字を追うのが苦手。押しの強いトークができない。ゴリゴリ攻めるタイプじゃない。営業って、そういう人がやるものだと思ってたから。

実際、商談でうまく話せなくて悔しかった夜は何度もあったし、月末に数字が足りなくて焦った経験もある。後輩の方が成績が良かった時期もあった。

なんか、向いてないんじゃないかって。素直にそう思った。

「向いてない」と「辞める理由」は別の話だった

でも続けるうちに、気づいたことがある。

「向いてない」って感じる場面と、「やっててよかった」って感じる場面が、両方あるということ。

半年ぶりに連絡したお客さんが「覚えててくれたんですね」って言ってくれた瞬間。提案が刺さって、「あなたに頼んでよかった」って言ってもらえた商談。そういう瞬間は、確かにあった。

「向いてない部分がある」と「やっていきたい」は、矛盾しないんだと思う。向いてる部分と向いてない部分が全員にあって、それのどっちが多いかで判断するのも違う気がする。

「嘘はつかない」って決めてから、少し楽になった

続けてきて、今も変わっていないことが一つある。

毎回の商談で、「でも嘘はつかない」って決めていること。

そのころ読んだ『営業の魔法』(中村信仁)に、「営業とはお客様のお役に立つことだ」という言葉が出てくる。ゴリゴリ押すことじゃなくて、相手に本当に必要かどうかを一緒に考えることが営業の本質だ、というような話で。読んで、「私がやりたいのはこっちだ」と思えた。向いてる・向いてないより、「やり方が自分に合っているか」の方が大事だと気づいたのも、そのあたりから 📖

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商品の欠点を隠さない。お客さんに合わないと思ったら正直に言う。数字のために無理に売りにいかない。それだけは守ってきた。

この軸ができてから、少し楽になった気がする。向いてる・向いてないじゃなくて、「自分らしくやれているか」の方が大事だって分かってきた。

しんどいとき、こっそりやってること

向いてないかもって思う気持ちが強くなるのって、たいてい「しんどい出来事の直後」なんですよね。

断られた翌日。数字が全然足りない月末。後輩に抜かれた週。そういうとき、「やっぱり私には無理なのかも」ってなりやすい。

そういう時期、私はこっそりやってることがあって。過去の商談メモを見返す。「よかったな」って思った会話の記録だけ集めたノートがあって、それを読む。

これ、誰かに言われたわけじゃなくて、なんか自然にそうなってた。悔しかった記憶って勝手に残るから、意識的に「よかったこと」を記録しておかないと、そっちばかりになっちゃうので。

全部うまくいってたわけじゃないけど、「あのお客さんに感謝された」って記録が残ってると、少し立ち直れる気がする。向いてるかどうかより、「続けてきた自分」が見えるから。

スタートアップに移って、変わったこと

大手からスタートアップに転職したとき、営業の「しんどさ」の質が変わった気がした。

大手のときは、決まった商材をきっちり売る感じで、数字のプレッシャーは強かったけどお客さんとの距離は遠かった。スタートアップに来てからは、自分で提案の形を考えることが増えて、怖さが増えた分だけお客さんの反応がリアルに見えるようになった。

どっちが良かったかは、今でも正直分からない。でも今の環境で「向いてないかも」と思う内容は、前と全然違う。大手のときは「数字が出ない私は向いてない」、今は「こんなに不安定な提案でいいのか私は向いてない」。

場所が変わると、「向いてない」の種類も変わるのかもしれない。

「向いてない」が気になるとき

もし今、自分が営業に向いてないと感じているなら、一つだけ聞いてみてほしいことがある。

「向いてないと感じるのは、どんな場面ですか」

数字が出ないから、なのか。人と話すのが苦手だから、なのか。今の会社の営業スタイルが自分に合わないから、なのか。

「向いてない」の中身を分解すると、「営業職全体が合わない」のか「今の環境が合わない」のかが見えてくることがある。正直これ、私が2年目の終わりに気づいたことで、もっと早く気づけてたら楽だったなとは思う。でもまあ、そのタイミングで気づくしかなかったんだと思ってる。


私はまだ営業を続けている。向いてないかもって思いながら、それでもやめなかった理由は、うまく言えないけど——たぶん、「これが自分の仕事だ」って思えた瞬間が、何度かあったから。

それだけで十分だった気がします 🌿

Yuki

アナウンサーを目指した過去を持つ29歳。大手メーカーからスタートアップへ転職した現役営業職。休日はカフェで充電しながらキャリアについて発信中。

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