営業成績が落ちた、あの春の話。スランプから立て直すまでにやったこと


営業成績が落ちた時期って、しんどい。数字の問題だけじゃなくて、じわじわと自信が削れていく感じがある。

あれは営業2年目の春のことで。大口の案件が2件続けて失注して、後輩が入ってきて、自分の数字は下がっていく一方だった。誰にも言えなかったんだけど、かなりしんどかった。

毎朝の会議で数字を確認するたびに、なんか自分の場所がなくなっていくような感じがしてた。


数字が落ちると、思考もつられて落ちる

営業成績って、数字だけじゃなくて「自分への評価」みたいに感じてしまうことがある。

成績が落ちると、「私って営業向いてないのかも」「もともと大した実力じゃなかっただけなのかも」ってなる。スランプって、技術的な問題というより、思考が止まっていく感じに近かった。

やる気が出ないから動けない。動けないから数字が出ない。数字が出ないからやる気が出ない。そのループに気づいてたけど、抜け出し方が全然わからなかった 😞

後輩の数字と自分のを無意識に比べてもいた。後輩がうまくいくのは嬉しいんだけど、それはそれとして、自分の焦りとは別の話で。その2つが頭の中でごちゃまぜになって、なんかずっとザワザワしてた。

やったこと、たった一個だけ

立て直しのために「大きなこと」はしなかった。

新しい戦略を立てたとか、営業本を読み漁ったとか、そういう話じゃない。ただ、「今週1件だけ、既存のお客さんに連絡してみる」って決めた。

ちょうど半年くらいご無沙汰してたお客さんに、「最近どうですか」ってメッセージを送ってみた。そしたら「あ、ちょうどよかった、相談したいことがあって」って返ってきた。

大した案件じゃなかった。でも、なんか少し、動けた感じがした 🌱

それだけだった。本当に。新規開拓もせず、勉強もせず、ただ一件だけ連絡した。でも「何かをやった」という感覚が、少しだけ手元に戻ってきた。

成績を「すぐ」戻そうとしなくていい

これは私の場合の話なんだけど、成績が落ちてるときに「今月中に絶対戻す」って気負うと、逆にしんどくなった。

焦って件数を増やそうとして、浅い営業ばっかりになって、それも失注して、余計に落ち込む。そのサイクルに一度入った。あのサイクル、本当に抜け出しにくかった。

「今週できることを一個だけ決める」の方が、私には合ってた。一個できると、もう一個できる気がしてくる。それを繰り返してたら、気づいたら春が終わってた。

成績は、劇的には戻らなかった。でも「自分の場所がなくなっていく感じ」はいつの間にか消えてた。それだけで、だいぶ違った 😮‍💨

誰にも言えなかったのが一番しんどかった

後から思うと、あの時期の一番のしんどさは、誰にも言えなかったことだったかもしれない。

同期には見せたくなかったし、後輩には見せられないし、上司には評価が下がると思って言い出せなかった。一人で抱えてると、実際より大きく見えてくる。スランプって、誰かに話すだけで少し軽くなることがある気がするんだけど、あの頃はそれができなかった。

今なら、もう少し早く「なんか最近しんどくて」って言えた気がする。言える相手が一人いるだけで、だいぶ違ったんじゃないかと。正直まだ、それが上手くできてるわけじゃないけど。

数字が落ちても、スタイルは変えなかった

一個だけ、立て直しの過程で気づいたことがある。

数字を戻そうとして、「もっとガツガツいかなきゃ」ってなりかけた。でも自分のやり方じゃないな、と思ってやめた。嘘はつかない、無理に買わせない、関係性を大切にする、という軸だけは変えなかった。

それがどこかで効いたのかどうかわからないけど、少なくとも「自分じゃないことをして数字を戻した」とはなりたくなかった。

スランプ中に「お客さんから学んだ」こと

立て直しの過程で気づいたことがもう一つある。

既存のお客さんに連絡を再開したとき、「最近どうですか」という問いかけに対していろんな返事が来た。状況が変わったお客さん、困りごとが増えたお客さん、逆に状況がよくなったお客さん。半年間連絡してなかったぶん、変化がたくさん溜まってた。

そのとき、「前回話してた悩みはどうなりましたか」という一言を自然に言えるようになってた。スランプ前はそこまで気が回ってなかった。新規開拓のことばかり頭にあって、既存のお客さんへの関心が薄れてたのかもしれない。

スランプって、しんどいだけじゃなくて「何かを見直すきっかけ」でもある気がした。数字だけを追ってたところから、お客さんのことをちゃんと考える方向に戻れた。あの春がなかったら、その気づきは来なかったかもしれない 🌱

後輩が入ってきたとき、どう見せるか問題

あの時期に特にしんどかったのは、後輩の入社と重なってたことだった。

自分が数字を落としてるのに、後輩に仕事を教えなきゃいけない。「先輩はちゃんとやってる」という顔をしながら指導するのが、かなりしんどかった。虚栄心と言えばそれまでだけど、先輩が迷ってる姿を見せたくない気持ちは正直あった。

でも後から振り返ると、あのときに「私もスランプがあった」と話せるチームリーダーの方が信頼されるんじゃないか、とも思う。完璧な先輩より、失敗してもそこから立て直した先輩の方が、後輩にとっては参考になることもある。

今は少し意識して、「私もこういう時期があった」という話を後輩にするようにしてる。スランプを隠すんじゃなくて、乗り越えた話として伝えられるようになってきた。あの春があったから、それができてる気がしてる。


今でも数字が落ちる時期はある。でも前みたいに「全部終わった感」にはならなくなった気がする。ちょっとずつ、立て直し方を覚えてきたのかもしれない。

スランプのときの「頭の使い方」が変わった

あのスランプを抜けてから気づいたことがあって。スランプ中って、頭の使い方が根本的に変わってた気がする。

平常時は「このお客さんに何が必要か」を考えてる。でもスランプ中は「どうすれば数字を取れるか」から始まってた。考える出発点が「お客さん」から「自分の数字」に移ってしまってた。出発点が違うと、商談での動き方も微妙に変わる。お客さんはそれを感じ取るんだと思う。

立て直しのきっかけになった既存のお客さんへの連絡は、「数字を取るため」じゃなくて「この人どうしてるかな」という気持ちで連絡した。出発点が戻ったから、「前回の悩みはどうなりましたか」という一言が自然に出てきた。数字を取ろうとしてたときにはなかなか出てこなかった言葉だった。


スランプのとき、「何をすれば立て直せるか」より「何が変わってしまってたか」を振り返る方が早かったと思う。技術じゃなくて、思考の出発点が変わってた。それに気づいてから動き方を戻したら、少しずつ感覚が戻ってきた。

「スランプを抜け出す方法」を探してたんだけど、答えは「スランプ前の自分に戻ること」だった。シンプルなことだったけど、真っ只中にいるときはそれが見えなかった。しんどさの中にいると、視野が狭くなる。あのスランプで一番学んだのは、そのことだったかもしれない 🌿

スランプを抜けてから変わったことがもう一つある。「数字が落ちても、自分全体がダメになったわけじゃない」という感覚が持てるようになってきた。以前は数字とメンタルが完全に連動してて、成績が落ちると気持ちもついて落ちてた。でも今は「今月の数字がよくない」と「自分のやり方が間違ってる」を切り分けて考えられる。数字はタイミングや運もある。でも自分の軸は、ちゃんと残ってる。そう思えるようになってから、スランプに入ったときの立て直しが少し早くなった気がしてる。

Yuki

このサイトの編集リーダー。アナウンサーを目指した過去を持つ29歳。大手メーカーからスタートアップへ転職した現役営業職。休日はカフェで充電しながらキャリアについて発信中。

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